昔ならではの島の宝を継承するために
■南日本新聞さんにてご紹介
先日商品化したクサラ茶を南日本新聞さんにてご紹介いただきました。
https://373news.com/_news/?storyid=125812
改めてこのプロジェクトに関する気持ちをまとめました。
■島の宝のクサラとは?
”和名:クンサーラ”といいます。
島では”クサラ”という呼び名で親しまれていた果物です
収穫時期は毎年1月頃。
種の多い柑橘なので、生命力も強いと言われています。
果実自体は大きい物でも直径10cm弱。大概直径5cm程度の柑橘です。
このクサラは、ベルガモットの香り成分と近いという研究結果もあります。
またその華やかな香りをかいでラベンダーのような香りにも似ているという人さえもいます。
■奄美のクサラの現状
昔からある奄美のクサラは、各家庭の庭や畑によくあったと聞きます。
多分今の若い人たちは食べたこともほとんどないでしょうし、むしろ知らない人もいるのかもしれません。
現在は切り落とされたり、接ぎ木されてしまったりと、希少なものとなりつつあります。
クサラに価値を僕たちが与えない限り、多分この流れは止まらないと思い、この加工品プロジェクトを立ち上げました。
■商品開発までのプロセス
もちろん不味いものでは意味がないので、品質的にも魅力のあるものに。
それを実現してくれたのが鹿児島県曽於市末吉町の末吉製茶工房の又木さんです。
彼なくして、製品化までできませんでした。
まずはクラウドファンディングをしてみようということで今春に実施して皆様にご支援をいただき、商品開発費を捻出することができました。
クラウドファンディングページ:
https://readyfor.jp/projects/kusaratea
■シマのアイデンティティについて
私たちは無意識の中で年を重ねるごとにグローバリズムの世界にどんどん飲み込まれています。
そして農業もその傾向が見受けられます。
昔はその地元でしか作られていないものがたくさんあった。
しかしその作物を作るよりもこちらのほうが儲かるという話で地元の宝を育てることを辞めてきたのかなと思います。
それは悪い事ではなく、当時は稼いで自分の家庭の生活を安定させるためには仕方がなかったことだとも思っています。
しかしながら今はインターネットの普及もあり、時代の流れは変わりました。
奄美で一部でいれば、奄美のタンカンなどの方が稼げる。
だからタンカンをどんどんつくろう。
昔からあったクサラは価値がないので自分の土地にあるものは排除しよう。
価値がないものはどんどん排除されます。
これは極々当たり前のことでしょう。
しかしその極々当たり前のことに「?(クエスチョンマーク)」をつけてモノゴトを再度深く見直そうとすると、価値を見出す方法が見つかったりします。
■人間は自由気ままに意思統一をする
邪魔なものを排除する。
奄美でもそのようなことが今も尚あります。
過去に奄美に生育するハブという毒蛇を駆除するために、外来種のマングースを奄美の自然界に解き放ちました。
その結果、マングースはハブを食べることはせず、奄美で希少なアマミノクロウサギなどに被害を与えることが分かりました。
考えてみれば当然ですよね。
毒のあるヘビを捕らえるより、アマミノクロウサギを捕まえた方が自分の身も安全ですからね。
ではなぜアマミノクロウサギを守ろうとおもったのでしょうか。
『アマミノクロウサギは貴重だ』
『世界自然遺産登録の為にも必要』
というような様々な専門家などの見解が浸透した結果、アマミノクロウサギを保護するための活動が行われるようになりました。
アマミノクロウサギもその希少価値が世の中に訴えられなければ、このように大切にしようという民衆の動きにならなかったのかなと思います。
そんなアマミノクロウサギの保全活動の一つがこのマングローブの一件だったのです。
■クサラ茶を通じての志
このクサラ茶の商品化をして行いこと。
シマには昔ならでは受け継いでいることに私たちのエッセンスをプラスするだけで、とても貴重な存在になり得る可能性があるということを表現したいということでプロジェクトをスタートさせました。
今年シンガポールに行ったことがきっかけです。
バーテンダーの方が『その土地にしかない個性のある特産品は素晴らしいこと』というお話を聞いたことで、クサラなどのシマの昔から親しみのあるものはとても面白いかもしれないと思ったのがきっかけです。
そんな話を聞き、日本に戻り、末吉製茶工房さんにお話をして、このクサラ茶の商品化を進めたという流れです。
■和歌山県のじゃばらのご紹介
和歌山県にじゃばらという柑橘があります。
このじゃばらは和歌山県の北山村というところでただただ実っている柑橘でした。
そのじゃばらがヒットするきっかけになったのが、花粉症に効果がある成分が含まれていることが分かったからです。
今ではこの変哲もない柑橘が、4億円程の市場規模の経済効果を生み出しているそうです。
奄美でもこのような資源がたくさん眠っているのだから、今後その可能性を表現する取組みをしていくことで少しでも島興しになればいいなと感じています。
商品化の予定は今年の冬頃ですので、販売したときにはぜひお買い求めお願いします^^
鹿児島方言版の”わっぜぇ香るん茶ど”と奄美方言版の”むる香るん茶”を販売する予定です~